【第3回】信頼される演奏とは何か?~レイ・ブラウンに学ぶ仕事術と音楽人生~≪全3回≫

音楽理論

はじめに:あなたの“一音”は信頼されているだろうか?

音楽で生きていくために、必要なものは何か?

それは、“うまく弾ける”ことより、“信頼される音”を出せること。

「俺は派手なことなんてしなかった。ただ“良い音”で“いいタイム”をキープし続けただけだ。それで、一生仕事に困らなかった。」

レイ・ブラウンは、約60年にわたって第一線で仕事が絶えなかったベーシストです。

本記事では、「なぜ彼がそんなに長く信頼され続けたのか?」を、音楽家としての視点で解き明かします。


信頼される演奏とは何か?

「速く弾けるより、いい音を出せ。派手なソロより、タイムを守れ。それがあれば、ずっと仕事がある。」

この言葉に、レイ・ブラウンの哲学が凝縮されています。

派手なソロではなく“居てくれると安心”な人に

  • 信頼される演奏とは、“バンド全体を整える”演奏
  • “あの人がいると、音楽が安定する”と言われること
  • 特別なことはしていないのに“効いている”音を出せるかどうか

レイ・ブラウンは、それができる人でした。

「継続できる演奏家」に必要なこと

レイは60年以上にわたり、あらゆるジャンル、編成、国をまたいで演奏し続けました。

では、彼は“何をしてきた”のか?

彼がやってきた3つのこと

  • 常に安定した音とリズムを提供し続けた
  • 誰とでも演奏できる“耳”と“合わせる力”を持っていた
  • 「俺が目立つ」のではなく「音楽がよくなること」を優先した

これらは、どれも“目立つ力”ではなく“支える力”です。


さらに深く学ぶための教材

レイ・ブラウンの「支える音」と「長く続ける力」を理解するために、以下の音源・教材が役立ちます。

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まとめ:「音楽人生」を支えるのは、“目立たないけど信頼される音”

誰もが目立とうとする時代だからこそ、レイ・ブラウンのような“地に足の着いた音”を出せる人は重宝されます。

レイ・ブラウンに少しでも近づけるよう、日々練習に励みたいですね!

最後に、彼の言葉をもう一度胸に刻みましょう!

「歌手もサックスも、派手なベースより“あの音”を求めてる。あれがあれば、ずっと雇ってもらえる。」



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📘 教則本まとめ

  • 『Ray Brown’s Bass Method』(基礎フォームやスケール、シンプルなウォーキングラインを通じて“良い音”の出し方を学べる実践的教本。信頼されるベースを目指す初心者に最適。)
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【全3回シリーズ 完】

レイ・ブラウンが語る【音色とグルーヴの極意】全3回(リンク)


【Creative Note】

本記事はレイ・ブラウンのインタビュー、教育活動、録音資料等をもとに再構成されたものです。著作権上問題のない範囲で引用・要約を行い、教育・実践目的に適した形で編集しています。


文・構成:浦島正裕(ジャズピアニスト/音楽理論講師)
ピアノと言葉を通して、日々、音楽の仕組みと心の動きの接点を探し続けています。
音楽の音にある「理由」を、常に多角的に考えています。
『THE PALM OF A BEAR』/浦島正裕

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