浦島正裕ワークショップ
J-flowで毎月行われている私が担当させて頂いているワークショップですが、
今月【7/6(日)】と来月【8/10(日)】の2回にわたりモードジャズを構造的に解説していきます。
単にモード奏法を修得するだけでなく、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーンやビル・エヴァンス等が楽曲に対して構造的にどのように考えていたかが理解できる内容になっています!
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概要
■はじめに
「モード・ジャズ(Mode Jazz)」は、従来の和声法的ダイアトニック・コード進行に基づくアドリブとは異なり、モード(スケール)を軸に、広く自由な即興演奏を可能にする表現法です。
その思想と手法は、マイルス・デイヴィス《So What》、ジョン・コルトレーン《Naima》、ハービー・ハンコック《Cantaloupe Island》などを通じて、モダンジャズの新たな地平を切り拓いてきました。
本講座では、「曲・演奏法・音素材・加工」という4つの視点からモード・ジャズを分析し、実践に繋がる構造理解と演奏技術を体系的に学びます。
この講座を受講することにより、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス等のジャズジャイアント達が楽曲の構造をどのように捉えていたのかを理解することができます。
■対象者
対象は、ジャズの基本的なコード理論を理解しており、より創造的なソロやモチーフ展開を目指す中級者〜上級者のプレイヤーです。理論と実践の両面からアプローチし、「理解して・弾いて・使える」内容を重視します。
- ダイアトニック理論や基本的コード構成音を理解し、さらに踏み込んだ即興戦略を志向している奏者
- II−V-Ⅰ的和声進行中心のアドリブから脱却し、スケール主導・モーダル主導の構成力を高めたい方
- アッパーストラクチャー、スケール再編成(リ・スケーリング)などの応用技術に踏み込みたい方
- フレーズ設計を感覚ではなく「構文と構造」の視点で捉え直したい方
■この講座の特徴
- 曲としてのモード(Mode Composition)を分析し、なぜその構造が魅力的なのかを構造から把握
- 演奏としてのモード(Mode Improvisation)を理解し、スケールベースでのソロ構築法を習得
- スケールを素材として扱う技術(アベイラブル・ノートの加工法)を段階的にマスター
■この講座で得られるスキル
- モードを基盤とした楽曲分析力と構造理解
- アドリブのためのスケール加工・展開技術
- 即興演奏で必要な「素材の選択」と「構成力」
- 自分のソロを客観的に見直すクリエイティブな視点
■講座内容(全2回・各120分)
◎第1回:モード・ジャズの土台と素材を理解する
⑴ 曲としてのモード(構造分析と聴き方の再構築)
- 《So What》《Cantaloupe Island》《Maiden Voyage》《All Blues》の分析
- なぜ「コードが少ない」のに「豊かな展開」が生まれるのか
- 「コードの流れ」より「スケールの継続性」が重要になる理由を解説
- これらの楽曲が持つ独自の音空間と即興自由度の関係を読み解きます
⑵ 演奏法としてのモード(モード奏法)
- コードの進行ではなく、スケールそのものを基軸にする奏法とは
- 「フレーズ=線」ではなく「素材を使った構築物」として扱う視点の導入
- モード奏法の構造
⑶ 素材としてのモード(スケール):アベイラブルノートスケールの整理
- 代表的スケールの構造を意識しながら覚える
・ドリアン/ドリアン♭9/リディアン/リディアンオーグメント
・リディアン♭7/ミクソリディアン/オルタード
・コンビネーション・ディミニッシュ/その他 - 各スケールがどのようなコードや場面に適しているかを解説
⑷ アベイラブルノートスケールの加工例①
- ペンタトニックスケールによる加工例
- モチーフ展開のためのシークエンス技法
- 一つのスケールから多彩な表現を引き出すための工夫と設計
◎第2回:加工技術:スケールを“素材”として使いこなす
⑸アベイラブルノートスケールの加工例②
- アッパーストラクチャー・トライアドによる加工
- アッパーストラクチャー・セブンスによる加工
- ヘキサトニックスケールによる加工
⑹ リ・スケーリング(Rescaling):スケールの切り替えによる印象操作
- リ・スケーリング(Rescaling)の具体例
⑺ 実技・演習
- 講義内容を踏まえた即興フレーズの試作と演奏
- 他受講者のフィードバックを通じて視野を広げる
- 講師による実演とその場での解説つき
⑻ まとめと応用論点の紹介
- 2回の内容を整理し、今後の練習方法やアウト奏法等の応用ステップを提案
- 演奏上の疑問点に対して丁寧にフィードバックを行います
メッセージ
モード・ジャズは、単に「スケールで弾く」という単純な話ではありません。
それは構造を自ら設計していく創造力であり、同時に「音を聴きながら音を考える」という高度な知的音楽行為です。
それは、時にコードや調性の垣根を越えるものであったりもします。
本講座は、理論と実践、構造と即興、素材と表現という両極を結びながら、「使えるモード奏法」への確実なステップを提供するものです。
ご自身の演奏に「もう一段階の飛躍」を求める方にとって、大きなヒントと刺激になれば幸いです。
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☆モードについて学べる本☆
・マークレヴィン ザ・ジャズ・セオリー
・ハーモニーに新しいカラーを加える リハーモナイゼーション・テクニック エクササイズと模範解答付